こんにちは、リョウです。


社内SEとしてシステムを扱う経験から

「画面演出」「手続き誘導」の仕組みを見抜く目を鍛えてきました。


今日は、マネートランスファー詐欺で非常によく使われる

全体構造を改めて整理します。

🎯 “当選金”という甘い餌:入口の設計

この種の詐欺では、まず次のような誘導が行われます。

  1. 広告にて「あなたに当選しました」「〇万円贈呈」と表示
    SNS広告やポップアップで、「宝くじ当選」「補助金給付」などの文言が表示される。
    これに興味を持った人がリンクをクリック。
  2. 登録フォームへ誘導
     氏名・メールアドレス・電話番号などの登録フォームが表示され、簡単な入力で“当選資格あり”とされる。
  3. “当選金受取手続きを開始”ボタン表示
     登録後すぐに「当選金を受け取るための手続きを始めてください」という画面へ遷移。

📋 手続きフェーズ:まず少額を支払わせる

次に、当選金を受け取るための“手数料”あるいは“認証費用”と称して

  • 手続き料を支払うよう要求
     「振込手数料」「認証手数料」「維持保証金」などの名目で、数千〜数万円を請求。
  • 支払後に確認画面表示
     「手続きが完了しました」「間もなく入金されます」と表示。
  • 安心感を与えるため少額振込を見せる
     小額だけ振り込まれ、「システム反映中」などの演出表示を見せて信頼感を演出。

この段階で利用者は、「本当に当選金が出るのかもしれない」と錯覚を持ち始めます。


🔄 本契約・アップグレード誘導

手数料の支払い後、さらに次のような流れが始まります。

  • 本契約または上位プランへの誘導
     「もっと大きな当選金を受け取るには上位プランに加入が必要」「特別枠に登録すれば倍返し」などと促す。
  • 長期利用料・認証料・保証金の追加請求
     毎月の維持費、認証の更新料などを重ねて請求するケース。


🚫 出金拒否・条件縛りフェーズ

最終的に利用者が出金申請をしても、次のような障壁が立ちふさがります。

  • 承認待ち状態が続く
     「確認中」「処理中」「審査中」と表示され、実際には処理されない。
  • 追加条件を提示する
     「申請料が足りない」「本人確認書類を再提出して」「税金代行を支払え」といった名目で出金を制約。
  • サポート連絡が途絶える
     電話・メール応答がなくなり、LINE・チャットすら繋がらなくなる。


🔍 全体構造の見える化

以下に、この「当選金受取手続き型誘導」の構造を整理します。

段階内容運営側の目的
入口当選金・給付金広告表示関心者を誘導
登録名前・連絡先を入力個人情報収集
手続き要求手数料・認証料を支払わせる初回収益獲得
小額振込の演出少額の振込みを見せて安心感を与える信頼構築
本契約誘導上位プラン・追加費用を案内利益拡大
出金制限承認待ち・条件提示で引き伸ばす実際の支払い回避
連絡遮断サポート対応停止逃走完了

この構造は、副業詐欺・投資詐欺業界で多く見られる手口と整合します。


💡 リョウ視点:技術的に演出可能なところ

私が技術とシステム設計に関わってきた経験から、この構造が成立しやすい理由も見えます。

  • 報酬加算画面の偽装表示は容易に作れる
  • 承認処理画面を延々表示するようにプログラムできる
  • 支払い状況を“振込中”表示で止める演出が可能
  • ランクアップ・保証金制度を追加できる拡張性
  • 通知やリマインドメールを駆使して焦らせ誘導できる

つまり、この“当選金受取”手法は


✅ チェックすべき防衛ポイント

このような誘導手法に対抗するために、私は次の確認を強く推奨します。

  • 広告に「当選金」などの語句があっても、 出金証拠を事前に求める
  • 手数料や認証料を請求されたら、 その根拠と契約書を確かめる
  • 「少額振込」は盲信せず、 出金テストでしばらく小額を動かして確認する
  • 出金条件や制約を 契約前に書面で確認する
  • 宣伝内容と実際説明が違う場合は警戒する


🎯甘い話に飛びつく前に一呼吸

当選金を受け取るために手続きすればいいだけ」──


このような文句は、人の心理を強く揺さぶります。

僕自身、時間も労力も使って、ノウハウを買って動けなかった時代を経験しました。
だからこそ、こうした広告には、まず立ち止まることを勧めたい。

この流れを知っておくだけでも、ある意味“武器”になります。
あなたが被害に巻き込まれないよう、少しでも役立てていただければ嬉しいです。

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